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MIHARA YASUHIRO

BRAND : MIHARAYASUHIRO ミハラヤスヒロ DESIGNER : YASUHIRO MIHARA 三原康裕

1972年生まれ。多摩美術大学デザイン学科染織デザイン学部に入学し独学で靴作りを開始。
在学中から靴メーカーのバックアップを得てシューズブランドを立ち上げる。
1998年には初の直営店「SOSU MIHARAYASUHIRO」を東京・青山にオープン。
1999年からはウエアラインを東京コレクションにて発表し、世界中で注目を集める。
2000年にはコラボレーションレーベル<PUMA by MIHARA YASUHIRO>を発表するなど、多岐にわたって活動中。


INTERVIEW

Q.はじめに靴を作り始めたキッカケを教えてください?

今でもそうですが、昔からふとニヒリズムが襲ってくることがあるんです。絵画に携わる母親の影響もあって小さい頃からアートに関しては英才教育されていたので、自分の中ではどこか"アートなんて"と少し小馬鹿にした気持ちがありました。それで知的消費物を作りたいという考えが大きくなり、ならば誰もが日常の中で必要とする靴を作ろうと決めました。



Q.シューズデザイナーとファッションデザイナーという二足の草蛙について、それぞれ価値観の違いはありますか?


そもそも僕はファッションデザイナーではなくシューズデザイナーだと思っています。また洋服作りを始めた理由はとてもくだらないことなんですが、自分にはどれだけの力が試せるのか?というある種のチャレンジで始めたことでもありました。互いにクリエイティビィティの違いはありますが、世の中ではシューズデザイナーがファッションデザイナーよりも劣っているイメージが強かったので......。正直なところ、僕もかつてはファッションデザイナーという存在をどこかガラスケースの外側から眺めている感覚でしたね。


Q.クリエイティブの心掛けがあれば教えてください?

僕は制作スタッフによく"地図を見よう"と言います。これは比喩としての"地図"ですが、自分の今いる場所を把握できていないのに、目的地までのルートを探すことは不可能です。逆に言えば今の立ち位置、ポジションを常に理解していれば、これから先の向かいたいところ何処へでも行けるわけです。だから僕ら制作チームは、現実をきちんと捉え続けることを心掛けています。


Q.デザインの最終目的とは何ですか?

デザインをすることとは、先の見えない道を進むことと同じです。故にその途中でふと灯りを見つけた瞬間は、快感とでも言いましょうか......。真の目的とは作品で人に夢を与えたり、その人の人生を変えることです。例えるなら女性がハイヒールを履く瞬間。とたんにその人の顔つきやスタイルが、まるで別人のように変わるのです。あれ以上の素敵な発明品はないですね。


Q.会社の代表でありメインデザイナーである三原さんにとって、クリエイティブとビジネスの両立は難しいことですか?

幸いにも僕のまわりには優秀なスタッフが揃っているので、クリエイションだけに専念できる好環境を作ってもらっています。しかし代表である以上、僕を支えてくれる社員のことを考え数字も意識しています。近年思うことですが、本来のファッションとはビジネスを拡大すべきものではないのかなと。自身、何も産み出せなくて、それでもビジネスとして成功してしまったときは虚しい気持ちになりますね。


Q.三原さんの作品からはヴィンテージ服のエッセンスを感じます。実際に集めているコレクションの数も相当とお聞きしていますが?

好きである以上にヴィンテージ服には2つの考えを持っています。1つは今までアートの勉強しかしてこなかった僕にとって、過去に産み出された服の縫製技術やパターン、デザインのすべてが勉強になります。故に僕にとっての服の"先生"です。もう1つは自分の中に存在する既成概念を壊してくれるものです。反面、一時は既成概念を壊されることに怯えていた時期もあったので、ウィンテージショップへ行くときは必ずワインを一杯飲んで酔気で古着を眺めていたくらいです(笑)。


Q.三原さんから見た日本のファッションシーンの率直な意見をお聞かせください。

全体的に言えることですがクリエイションのスキルは高いと思います。反面、テーマ性を強く打ち出し過ぎてコスプレになりがちだったりコピーの如く海外レーベルを真似たブランドが多いことも事実です。今のところイブニングドレスで成功した日本人は一人もいないわけで、それは日本のファッションが未だ成熟していないことを立証しているのではないでしょうか。


Q.生活のリズムを教えてください?

夜型でも朝型でもなく、24時間型なんです(笑)。先日も2週間くらいアトリエにこもりっきりだったので、会社のスタッフに心配されていました。考えたり何かに没頭しているときは、平気で3日間くらい寝ないこともありますよ。20代の頃は無茶苦茶な生活リズムだったので、年齢を考えて最近は朝早くに起きて活動するよう心掛けています。それと日曜日はなるべく休んでサーフィン通いを続けています。実は小さい頃からサーフィンが大好きで、プロのサーファーを目指していた時期もあったくらい。よくお客さんからはイメージが湧かないと言われますが(笑)。


Q.2008年に最も通ったレストランやカフェを教えてください?

恵比寿にあるカフェ「le Lion」(ル・リオン)です。僕はここの雰囲気が大好きで思い出深いことから、足繁く通わせてもらっています。このお店の什器類は、同店オーナーが以前に勤めていた名店「nid cafe」(ニド・カフェ)で使われていたものなんですが、当時まだ若かった僕は「nid cafe」でファッションや夢について友人とよく語りあっていました。それだけにここの什器には思い出が一入なんです。ちなみにオーナーが前職時代に苦楽を共にした優秀なギャルソンがいるのですが、その彼はパリ・サンジェルマンの「カフェ・ド・フロール」本店で、フランス人以外の雇用としては初となる正式ギャルソンとして活躍しています。同じ日本人としてカフェやファッションの聖地に挑む姿勢は共感できますね。

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